テュイルリー NV(2018) / ノワック
テュイルリー NV(2018) / ノワック
228年続く老舗ブドウ栽培家8代目の新たな挑戦と伝統的手法の踏襲
ヴァレ・ド・ラ・マルヌの中心地であるエペルネから西に20kmほど離れたヴァンディエール村に居を構えるNowackは、才能溢れる新当主のもと、この地でめきめきと注目度を上げているドメーヌだ。
Nowackの家系は1795年まで遡る。初代〜3代目はレンガ造りの仕事を主とし、その傍らで所有する小さな畑でブドウを栽培、販売していた。しかし、1890年にこの地をフィロキセラが襲うと、4代目当主であったフェルディナンドは壊滅的な打撃を受けた畑の復興に熱心に取り組んだ。やがてフェルディナンドが周囲も認める才能あふれる栽培家として頭角を現すようになると、1915年に満を持してシャンパーニュ醸造を開始。こうしてレコルタン・マニュピランとしての歴史をスタートしたNowack家は、その高い品質から、現在では生産するブドウやジュースの一部を大手メゾンであるランソンや、エルヴェ・ジェスタンが手掛けるルクレール・ブリアンにも販売している。
2012年からワイナリーを率いる8代目の現当主フラビアンは、Nowack家が守り続けてきたこの地特有のテロワールへの愛を継承しているだけでなく、先代の父とは違う新しいアプローチでNowack家の新時代を切り開いている。
1つ目の改革がビオディナミの導入。「各区画が持つ複雑な生態系を理解し、リスペクトすること」をモットーとするフラビアンの代よりリュット・レゾネからビオディナミの管理に切り替え、畑と生態系のバランス保全に努めている。
2つ目の改革が、「単一区画+単一品種+単一収穫年」というアプローチだ。収穫では20ある区画ごとにブドウの完熟を待って丁寧に手摘みし、圧搾から醸造まで区画毎に分けて行う。人為的な介入を出来る限りなくすため、天然酵母で発酵、マロラクティック発酵も自然発生に任せ、無清澄、無濾過で翌年春に瓶詰する。こうして単一区画/品種/収穫年で仕込んだワインをフラビアンはあえてノン・ヴィンテージとしてリリース。ミレジムとしてリリースするためには収穫時に登録申請が必要だが、ワインは実際に熟成が進んでいかないとその本質は見えないと考えているためだ。
意欲的なフラビアンは2020年には「より一般的なシャンパーニュ」をコンセプトとし、Nowackの総体的なイメージを表現するための複数区画/品種/収穫年をアッサンブラージュした新たなキュヴェ「S.A.」をリリースした。「Sans Annee=ヴィンテージなし」を意味するこのワインは、アッサンブラージュスタイルから単一区画/品種/収穫年のアプローチへと舵を切っていく他の多くの生産者とは異なっており、まさに彼の好奇心の強さを体現しているといえる。
彼のワインはランスの星付きレストランやビストロでもオンリストされており、新当主が率いるNowackへの注目は着実に高まっている。
<テュイルリー>
ヴァンディエール村の標高100mに位置する単一区画から造られるブラン・ド・ブラン。レモンピールやリンゴ、ハーブのフレーバーをミネラルの背骨が支えている。フレッシュでジューシーな果実に繊細な酸が溶け込んでいる。
(輸入元様資料より抜粋)
<ワイン情報>
タイプ/ 泡・白
品種/ シャルドネ100%
生産者/ Nowack (ノワック)
銘柄/ テュイルリー (Tuilerie)
国/ フランス
地域/ シャンパーニュ、ヴァレ・ドゥ・ラ・マルヌ
生産年/ NV(2018)
栽培/ ビオディナミ
生産者公式HP:https://www.instagram.com/nowack/